その時代に生きた足跡

 その時代に生きた足跡

そうして、話に聞いた秋勇留島、横浜市鶴見区の寄宿舎、その近くのお寺、株式会社IHIの歴史、そんな資料を集めてその時代を思い浮かべられるように記録し始めたのです。写真が無ければ想像図をイラストで描き、地図があれば国土地理院に行き、戦争体験があれば軍歴証明を取り、渡航経験があれば外交史料館、経営者なら社史図書館などなど...。

もともと研究職だったので、どうも調べることが好きだったようです。

 

既に亡くなっていますが、シベリア抑留経験を持つ、ある会社の創業者のことを調査しました。満州国で軍属となって働いていたようですが、戦争末期の根こそぎ動員により召集されます。始めはどこでどんな仕事をしていたのか具体的にわかりませんでした。

国会図書館、防衛研究所、外交史料館などをまわって調べましたが何も見つかりません。そんな時に二代目社長の口から「同業の○○さんと一緒に行っていたそうだ」とお聞きしました。「でも亡くなって世代が変わっているし、疎遠になっているので聞くのは難しい」とのこと。しかし、その○○さんの経営する会社の社史を、川崎にある「社史図書館」で見つけます。

なんとそこには生前の創業者と○○さんが一緒に写った写真が残っていたのです。そして満州での仕事について初めて明らかにすることができました。

 

いつでも何かが見つかる訳ではありません。でもほんの小さな糸を手繰り寄せると、その時代に生きた足跡が見つかるかもしれません。

 

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